2018年度 理事長所信並びに基本方針



第61代理事長 峰松宏光

「 共創 」
〜夢と希望が溢れるまち 鹿島の創造〜

はじめに

戦後混乱期、明るい豊かな社会の実現を理想とし、責任感と情熱をもった青年有志により日本の青年会議所運動は始まりました。そして、1958年にこの鹿島でも共に向上し合 い、社会に貢献しようという理念のもとに鹿島青年会議所が誕生しました。以来、地域社会の発展や国家の発展を図り、奉仕・修練・友情の三信条のもと結束し、数多の事業を実 施してきました。我々はこの先も「まちづくり」「ひとづくり」「個の成長」を礎に時代に合った変革と創造を見据え、この地域のために想いや情熱を継承していく必要がありま す。 今、我々は先輩方が汗と涙を流しながらも知恵と工夫で切り開いた道に立っています。だからこそ、鹿島青年会議所が60年続いてきたことの意味を、しっかりと考え行動 することが大切です。先輩方から脈々と続いてきた情熱をこれからも受け継ぎ、そして、後輩たちへと受け渡していく義務が我々にはあります。その義務を果たすために、現状に 満足せず、何事にも果敢に挑戦し、より良いかたちに進むための運動を展開し続けていかなればりません。

この国は今、地方創生という大きな変革期を迎え、地域の個性を最大限に活かしていくための様々な地域活性化の糸口となる考え方は生まれてきていますが、一番重要なのは、地 域を実際に動かす人の力であると考えています。では、我々は地方創生のために十分な取り組みができているでしょうか。地域の子どもたちは愛郷心に溢れ、夢や希望を抱いてい るでしょうか。この地域の将来のことを思い行動している人はどれくらいいるでしょうか。地域の可能性を見出し、具現化する人がいなければ、地方創生をどれだけ議論しても絵 に描いた餅でしかありません。この地域に秘められた可能性を最大限に発揮することで、すべての人が未来に対して夢や希望を抱くことができるようになると確信しています。そ のためには青年会議所が先頭に立ち、地域のために情熱を持って行動し続けなければならないのです。

当事者意識の醸成

地方創生が叫ばれる大きな転換期を迎えて、人口減少や景気、雇用対策、子育てに関する事などの鹿島が抱える様々な問題を解決するためには市民を牽引するリーダーが必要不可欠です。しかし、その一方で、市民にとって政治や行政は関わりが薄く縁遠いものであることも否めないところです。これは4年前の鹿島市長選挙投票率(59.3%)をみても一目瞭然です。このような現状を引き起こしている原因は、政治や行政そのものの分かりにくさにもありますが、市民が政治・行政を「身近なもの」として捉えることのできる機会が極端に少ないことに起因しているものと思われます。我々はこの現状を変革し、鹿島の未来をすばらしいものにして行くためには、候補者の政策や理念を一人でも多くの人が理解し、市民が主体的に政治に参加できるようなシステムの構築が必要であると考えています。また、公職選挙法の改正により2016年から選挙権年齢が20歳から18歳へ引き下げられました。この法改正は将来を考えなくてはならない若い世代が選挙という機 会を通じて地域に関心を持つための機会ともいえます。未来の地域を創る若者たちが、 「自分たちが描く未来へ近づくために希望を持ってこの一票に託す」という思いを持てるような契機にします。市民が政策本位による政治選択をすることで、自分のまちに関心を持ち、よりよい鹿島の未来へ向かうものと確信します。

子どもの心を育む

未来を担う地域の宝である子ども。その子どもたちに生まれ育ったまちは鹿島だと胸を張って答えてほしいと思います。時代の変化に伴いインターネットの普及は生活における利便性は向上したものの、青少年健全育成においては良い影響ばかりではないのも事実です。今の子どもたちは自らが地域資源に触れることで胸が躍るような体験をする機会が少なくなっていると思います。感動できる機会が多ければ多いほど実体験から達成感を得る機会が増え、自ら考えて行動していく逞しさや何事にも挑戦し、やり遂げようとする心が育まれるのではないでしょうか。我々は子どもたちの未来のために、自らの行動に責任を持ち、相手を思いやるコミュニケーション能力を育み、自発的に物事に挑戦していく青少年の育成を目指してまいります。青少年が豊かな心を築いていくためにも、我々の運動を通して、青少年の自主性や創造性を育成していくことが大切です。個性を尊重し合い、互いの力を社会のために役立てて行き、自らの手で未来を創造していく青少年を育成していきます。

次世代へ繋げる情熱

本年、鹿島青年会議所は創立60周年を迎えます。これも偏に設立当初から現在に至るまで、先輩方が築き上げてきた努力の賜物であると感謝いたしております。その感謝と敬意の念を表現すべく創立60周年記念式典を開催いたします。その式典の中において、創立55周年時に策定した運動指針「鹿島JC道改訂版」の検証を基に今後、我々が取り組まなくてはならない方向性を示した新たな指針を発表させて頂きます。我々は新たなる10年を迎えるにあたり、これまで鹿島JC道に基づいて展開してきた運動によって得られた意義・効果、また反省点についても、十分に検証する必要があると考えています。そして改めて、5年前に掲げられた目標像に照らし合わせ、運動に対するアプローチを整理し、今後の鹿島青年会議所が進むべき未来へのビジョンを確立し、行動へつなげる端緒の年としていきましょう。

会員全体で取り組む拡大活動

我々はJC三信条に基づき、明るい豊かな社会の実現を目指してJC運動を展開しています。そして、その大きな目標を達成するためには我々と同じ考えを持つ同志を増やしていかなければなりません。その同志を増やすためにはただ勧誘をすればよいというものではありません。JCを熱く真剣に語ることができるように成長すること、そしてそれを伝えることができるように成長すること、それこそが真の拡大に繋がるのではないでしょうか。会員拡大は決して組織の存続や運営のために行うのではありません。明るい豊かな社会を築くために行うのです。これからの鹿島の未来を本気で考え、共に行動できる同志を増やしていきましょう。私は「青年会議所=人の価値観を変えることができる団体」と考えています。入会した当初は「自分が変わりたい、仲間を増やしたい、仕事に繋げたい」という利己の考えが中心でした。しかし活動していくうちに「人のために、まちのために、日本のために、世界のために」と利他の考えへ変化していきました。入会前にこのような思いを抱くことなどありませんでした。この利他の精神こそが明るい豊かな社会づくりへ繋がっていくのです。会員の皆さんもJCに入会して少しでも感じることができたなら、それは皆さんの価値観が変わったのです。これほどに人の価値観を変えることのできる団体が他にあるでしょうか。人が成長すれば、組織も成長します。組織が成長すればまちの未来はより明るいものとなります。鹿島青年会議所は未来に目を向けたまちづくり団体として、そしてまちのリーダーを創出する団体として、自らが真摯に取り組まなければならないという気概を全員で共有し拡大活動を行っていきます。

JAYCEEであるために

魅力あるLOMへ進化するためには、JAYCEEとして自らの魅力を磨き上げ、さらに市民から信頼される組織へと発展する必要があります。そのためには会員一人ひとりがLOMを創るのだという当事者意識を醸成しなければなりません。我々は先輩方が築き上げられてきた信頼や組織のありかた、知識や経験を一人ひとりが理解し、継承していくことが重要であるのはもちろんのこと、その成長を自己完結で終わらせるのではなく、それを職場・地域・社会に、そして未来の会員へと還元していかなければなりません。組織を活性化させることにより、学び舎としての価値を高めていかなければならないのです。JAYCEEとして成長した多くの会員が地域の礎となることで、我々が暮らす鹿島の未来をより豊かに創造できると確信しています。

個の成長のために

近年、経験豊かな先輩方が次々と卒業され、新入会員といわれる3年未満のメンバーが増えている現状を鑑みると、今後の組織を担っていく人材の育成は急務です。個として成長するためには、あらゆる活動に参加している一瞬一瞬をかけがえのないものとして大切にしなければなりません。JAYCEEとして一人ひとりの意識をより高めていくことが鹿島青年会議所の成長に繋がり、これからも続くJC運動への原動力となっていきます。その成長のためには、LOMの活動だけではなく出向や諸大会へ参加することで広い視野からの学びも欠かすことができません。そこで出会う多くの仲間との活動を通し、様々な経験を積むことは新しい自分に成長していくための糧に他なりません。当然、そこには困難なことがあるかもしれません。しかし、その障壁に果敢に挑戦し立ち向かい、乗り越えてこそ得られる経験は必ず自分を成長させてくれます。JCには様々な機会が用意されており、この多くの機会を積極的に活用していきましょう。そしてこれらの機会に対して果敢に挑戦し、努力していくJAYCEEを鹿島青年会議所全体で応援し、共に成長しあう環境を創ります。

また、我々は「鹿島おどり」「鹿島ガタリンピック」「鹿島市桜樹保存会」という誇るべき事業にも参画しています。他団体や行政などと共にひとつの事業を作り上げることは青年会議所では得られない経験や学びがあるはずです。成長の機会はJCの中だけはなく、すぐ近くにもあります。この地域で活動する青年経済人として積極的に参画していきましょう。

結びに

我々には明るい豊かな社会の実現という夢があります。その夢を実現するためにはどうすればよいのか、日々JC運動に取り組んでいます。JCしかない時代からJCもある時代と揶揄されることもありますが、JCだからできることが必ずあります。JAYCEEの若い力は無限です。我々が描いた夢は必ず実現できることなのです。そして地域の人々も夢を描き、みんながその夢の実現に向かい、力を合わせれば、自ずと明るい豊かな社会は開かれます。夢に向かう人は輝きを放ち、夢を叶えた時、新たな夢に向かい前へと進めるのです。この輝きが人から人へ、人からまちへ輪を広げ、明るい豊かな社会へと繋がっていきます。 次代を担う我々は若き情熱を胸に青年会議所運動を展開し、これからもずっと住み続けたいと思える夢と希望が溢れる鹿島の創造を目指していきます。

夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。

明るい豊かな社会を実現させ、地域の未来を次の時代に託していくために会員一人ひと りが夢を描いていこう。そして、誰もが夢を描ける地域を創り上げよう。

《基本方針》



2017年度理事長所信